授業風景の写真(イラスト)でよくあるのが、子どもたちが一斉に元気よく手を挙げている場面。いわゆる「ハイハイ授業」です。
先生の発問に、たくさんの子どもたちが手を挙げて、その中の一人を指名して、正解が出れば次に進む…
ただ、そこには、指名されなかった他の意見は聞かれることもなく、手を挙げていない子への手立てもない。
いつまでこんな授業が続くんだろう…
と思っていたら、同じことを熱く語っているアメリカのラッパーがいました。
タイトルは「I JUST SUED THE SCHOOL SYSTEM(学校システムを告訴する)」です。
今や1人1台端末の時代。容易に全員の意見を一度に聞く(見る)ことができます。
学制が始まって150年。やっと学校システムも変わろうとしています。
近い将来、参観日に来ても「ハイハイ授業」を見ることはなくなると思います。
これからの教育が楽しみです。 (原)
【補足】
この動画は、庄子寛之先生(東京都公立小学校指導教諭)がオンラインセミナーで紹介されていました。研修の内容に触れる代わりに、彼の著書の前書きの一部を紹介します。
ハード面は大きく変わりましたが、何より大切なのは、教員の意識改革(ソフト面)です。
(10年前の自分は)
長縄大会があったら、特訓して学校1位を目指していたし、
30人31脚にも挑戦してきた。
逆上がりもバク転も、全員できるまで放課後まで練習していたこともあったね。
熱血教師が素晴らしいと勘違いしていた時期もあったし、
まだそうすることが子どもたちのためだって思っている頃かな。
今の自分は、そういうことに全く熱くならなくなった。
勝ち負けよりも大切なものがあるから。
誰かの勝ちは、誰かの負けであるから。
そして、全員が逆上がり、バク転、30人31脚を、
できるようになりたいと思っているわけではないから。
(「『子どもに任せる』がうまくいかないあなたへ」(明治図書)より)