2023年5月3日水曜日

校長雑記#95【時は変改す②】

 授業風景の写真(イラスト)でよくあるのが、子どもたちが一斉に元気よく手を挙げている場面。いわゆる「ハイハイ授業」です。

先生の発問に、たくさんの子どもたちが手を挙げて、その中の一人を指名して、正解が出れば次に進む…

ただ、そこには、指名されなかった他の意見は聞かれることもなく、手を挙げていない子への手立てもない。


いつまでこんな授業が続くんだろう…

と思っていたら、同じことを熱く語っているアメリカのラッパーがいました。

タイトルは「I JUST SUED THE SCHOOL SYSTEM(学校システムを告訴する)」です。


今や1人1台端末の時代。容易に全員の意見を一度に聞く(見る)ことができます。

学制が始まって150年。やっと学校システムも変わろうとしています。

近い将来、参観日に来ても「ハイハイ授業」を見ることはなくなると思います。

これからの教育が楽しみです。   (原)



【補足】

この動画は、庄子寛之先生(東京都公立小学校指導教諭)がオンラインセミナーで紹介されていました。研修の内容に触れる代わりに、彼の著書の前書きの一部を紹介します。

ハード面は大きく変わりましたが、何より大切なのは、教員の意識改革(ソフト面)です。


(10年前の自分は)

長縄大会があったら、特訓して学校1位を目指していたし、

30人31脚にも挑戦してきた。

逆上がりもバク転も、全員できるまで放課後まで練習していたこともあったね。

熱血教師が素晴らしいと勘違いしていた時期もあったし、

まだそうすることが子どもたちのためだって思っている頃かな。


今の自分は、そういうことに全く熱くならなくなった。

勝ち負けよりも大切なものがあるから。

誰かの勝ちは、誰かの負けであるから。

そして、全員が逆上がり、バク転、30人31脚を、

できるようになりたいと思っているわけではないから。

(「『子どもに任せる』がうまくいかないあなたへ」(明治図書)より)