そして今日、6年生は卒業記念品として、タイムカプセルならぬタイムカンヅメづくりでした。
それぞれに、メッセージカードやお気に入りグッズを缶に詰め込んでいました。
期待と不安が入り混じる卒業間近のこの時期、最後の小学校生活をまったりと堪能しているようでした。
この時期になると、いつも思い出す詩があります。
       峠    真壁仁
 峠は決定をしいるところだ。
 峠には訣別のためのあかるい憂愁が流れている。
 峠路をのぼりつめたものは
 のしかかってくる天碧に身をさらし
 やがてそれを背にする。
 風景はそこで綴じあっているが
 ひとつを失うことなしに
 別個の風景にはいってゆけない。
 大きな喪失にたえてのみ
 あたらしい世界がひらける。
 峠にたつとき
 すぎ来しみちはなつかしく
 ひらけくるみちはたのしい。
 みちはこたえない。
 みちはかぎりなくさそうばかりだ。
 峠のうえの空はあこがれのようにあまい。
 たとえ行手がきまっていても
 ひとはそこで
 ひとつの世界に別れねばならぬ。
 そのおもいをうずめるため
 たびびとはゆっくり小便をしたり
 摘みくさをしたり
 たばこをくゆらしたりして
 見えるかぎりの風景を眼におさめる。
6年生のみなさん、小学校生活も残りわずか。卒業までのひと時をしっかり楽しんでください。 (原)

