2025年3月11日火曜日

校長雑記#174【このひと時を大切に】

この時期になると、校長室にファイルや作品バッグを持って「サインをください」と児童がやって来ます。
そして今日、6年生は卒業記念品として、タイムカプセルならぬタイムカンヅメづくりでした。
それぞれに、メッセージカードやお気に入りグッズを缶に詰め込んでいました。


期待と不安が入り混じる卒業間近のこの時期、最後の小学校生活をまったりと堪能しているようでした。

この時期になると、いつも思い出す詩があります。


       峠    真壁仁
 
 峠は決定をしいるところだ。
 峠には訣別のためのあかるい憂愁が流れている。
 峠路をのぼりつめたものは
 のしかかってくる天碧に身をさらし
 やがてそれを背にする。
 風景はそこで綴じあっているが
 ひとつを失うことなしに
 別個の風景にはいってゆけない。
 大きな喪失にたえてのみ
 あたらしい世界がひらける。

 峠にたつとき
 すぎ来しみちはなつかしく
 ひらけくるみちはたのしい。
 みちはこたえない。
 みちはかぎりなくさそうばかりだ。

 峠のうえの空はあこがれのようにあまい。
 たとえ行手がきまっていても
 ひとはそこで
 ひとつの世界に別れねばならぬ。
 そのおもいをうずめるため
 たびびとはゆっくり小便をしたり
 摘みくさをしたり
 たばこをくゆらしたりして
 見えるかぎりの風景を眼におさめる。


6年生のみなさん、小学校生活も残りわずか。卒業までのひと時をしっかり楽しんでください。 (原)