2025年3月19日水曜日

校長雑記#175【卒業式 式辞】

 本日、無事卒業式を終えることができました。

昨年度から対面式に変更し、卒業生の呼びかけを簡素化する代わりに、一人ずつ、証書を受け取った後に壇上で今の想いを発表するようにしています。

事前に子どもたちには、「クリシェ(ありきたりの表現)ではなく、自分の言葉を紡ぎましょう」と伝えていました。

一人一人の精一杯の言葉に、涙をこらえながら、卒業証書を渡しました。

(式のようすはコチラをご覧ください。)

子どもたちに言った手前、私も精一杯自分の言葉で式辞を書きました。



   式 辞


 やわらかな日差しに木々の芽も膨らみ、春の息吹を感じる頃となりました。

 卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。

 振り返ると、みなさんは、平成最後の年に小学校に入学し、そして間もなく元号が令和に変わりました。順調に1年生を終えようとしていた矢先、突如として新型コロナウイルスによる臨時休校に見舞われ、それからは、「新しい生活様式」のもと、さまざまな活動の制限を余儀なくされました。

 私が本校に着任したのは皆さんが4年生の時です。制限が徐々に解除され、学校生活も少しずつ日常を取り戻しました。

 そして、コロナ禍が落ち着き始めた昨年度から、「やってみよう」をスローガンに、さまざまな活動を高学年のみなさんに委ねました。学校のきまりの見直しをはじめ、実行委員会を中心に作り上げた運動会、自分たちでコースを決めて京都市内を観光した修学旅行。そして、地域の魅力やSDGsについて異学年で調べ、発信した「あい・かもフェスタ」。また、日々の授業や家庭学習もみなさんの主体性に委ねました。

 それらの活動を通して、単にコロナ禍前の学校に戻ったのではなく、みなさんの力で新しい鴨方東小学校を作り上げてくれました。

 この「やってみよう」というスローガンは、単に小学校生活の楽しい思い出づくりのためだけのものではありません。10年先がどうなっているのか誰にも予想できないこれからの時代に、言われたことだけするのではなく、自ら考えて行動する力を身につけてほしい、という思いが込められています。

 ルールや常識は「守るもの」であると同時に「変えることができるもの」でもあります。6年生の「お祭りをしたい」の提案から、全校の「あい・かもフェスタ」が実現したように、行動すれば未来を変えることができます。これからも、前例にとらわれず、「やってみよう」の気持ちをもち続け、未来を切り拓いていってください。


 そして、未来にはばたくみなさんに、最後のメッセージとして「幸せになる方法」を伝えます。

 それは、「人と比べないこと」です。

 みなさんはブータンという国を知っていますか。以前は「世界で一番幸せな国」として知られていました。「今日もおいしいご飯が食べられました。」「今日も家族が健康で幸せに生きられています。」と、自分が今持っているものに目を向けて、それに感謝の気持ちを伝える人たちが多い国でした。ところがSNSを国民が使うようになって、周りの国や人との比較が始まり、国民の幸福度が一気に下がったそうです。

 対照的に、毎年ランキングの上位を占めているのは、フィンランドやデンマークなどの北欧の国々です。その国々の人たちに幸せの秘訣を聞いて、即答で返ってくるのが、「人と比べないこと」だそうです。

 みなさんの教室に掲示していた心マトリクスの中心は地球です。そこには、「あなたは あなたである時最も輝く」という思いが込められています。

 これから、多くの人と関わり、多くの情報が流れ込んでくる中で、人と比べず、あなたの魅力、あなたの長所を最大限に生かして、最高のあなたになってください。


 保護者の皆様、本日はお子様のご卒業、誠におめでとうございます。

 これまで、本校の教育に温かいご理解・ご協力をいただきましたことに心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

 今日はぜひ、スマホの中に保存されているお子様の1年前、2年前の写真を見返してください。もしかすると入学した頃の写真もあるかもしれません。見た目の成長だけでなく、「あれもできるようになった」「これもできるようになっている」と感じられるはずです。そしてこれからも、お子様の成長を家族で喜び合い、褒めて、励ましていたただきますよう、よろしくお願いいたします。

 また、浅口市副市長 松田勝久 様をはじめ、ご来賓の皆様、本日はご臨席賜りまして誠にありがとうございます。地域の方々には、今までいろいろな場面で子どもたちを支えていただきました。ある調査では、「親や学校の先生以外の大人と対話する」経験があった人ほど、「社会人の充実度が高い」という結果が出ているそうです。今後も引き続き、子どもたちの歩みゆく姿を見守り、関わり続けていただきますよう、よろしくお願いいたします。


 卒業生のみなさん、いよいよお別れです。

私自身、みなさんとは理科の授業や修学旅行などを通して、楽しい思い出がたくさんできました。この学校に来て、みなさんと出会えて、本当によかったと思います。

そして私たち教職員は、みなさんを本校の卒業生として中学校へ送り出すことを、とても誇りに思っています。

これから新しい場所でみなさんの良さが存分に発揮されることを心から期待して、私の式辞といたします。


           令和七年三月十九日              

           浅口市立鴨方東小学校長   原 直秀


私の想いが少しでも伝わったでしょうか?
これからも輝き続けてください。
あらためて、みなさん卒業おめでとう!  (原)



【追記】
前日の修了式は、卒業生にだけ話ができる大切な場です。
二つのキャッチコピーを紹介しました。

一つは「丸くなるな、星になれ。

“自立”とは、「苦手なことは人に頼り、得意なことで人を助ける」という意味です。
そして、それぞれの得意分野を持ち寄って取り組むことが“協働”です。
自分のことをよく知り、苦手なことより、自分の良さをどんどん磨いていきましょう。

もう一つは「JUST DO IT.
まさしく、本校で取り組んだ“やってみよう!”です。
これからも“やってみよう”精神で、未来を切り拓いてください。

ということで、CMやチラシなどで、有名なこの二つのキャッチコピーを見かけるたびに、小学校で学んだことを思い出してください。


【おまけ】
今日の卒業式の式場では、卒業生からだけ見える場所に、この二つのキャッチコピーを掲示していました。
卒業生のみなさん、気づきましたか?