(前回の続き)
最近よく“DX”“GX”という言葉を見たり聞いたりします。
DXは「デジタル・トランスフォーメーション」、GXは「グリーン・トランスフォーメーション」と読みます。
トランスフォーメーション(X)は「変革」という意味で、緩やかな変化ではなく、サナギが蝶に変わるように、“『非連続的な』大変革”を意味します。
そして、教育現場にも「教育DX」が求められています。
これは、単に「学校ICT環境整備」のことではなく、GIGAスクール構想で一気に整備したICT環境を土台にして、「生徒の学び方」「先生の働き方」をすっかり「生まれ変わらせること」です。(「教育DXで『未来の教室』をつくろう」浅野大介 著 学陽書房 より)
先日、環境活動家の谷口たかひささんのSNSに、新成人に向けてのメッセージが載っていました。(一部抜粋)
僕がイギリスに留学して驚いた事は、「正解の無い問題」ばかりを問われ続ける、という事です。
日本の教育では、「大人が決めた正解探し」ばかりをしていました。
だから自分がブチ当たる問題にも、「正解」を探したり、それをくれる「先生」を求めたりします。
だけど、あなたがこれからブチ当たる問題には、「正解」はありません。「先生」もいません。
「正解」は探すものではなく、つくるものです。
正解をつくるというと大げさに聞こえますが、「自分の頭で考えて、自分で決める」ということです。
次に、教育界に衝撃を与えた「学校の『当たりまえ』をやめた。」の著者 工藤勇一さん。
一見、美しく正しそうな言葉についても、誰一人置き去りにすることなく使える言葉なのかを吟味していくことが大切。(中略)このリストを見ながら、問い直してみてください。
□「毅然として叱る」
□「基礎基本は教え込む必要がある」
□「板書技術」
□「教師の職人技」
□「心の教育」
□「心をひとつに」
□「団結」
□「和」
□「心技体」
□「何事も頑張れ」
□「あいさつ、礼節、号令、姿勢」
□「起立、気をつけ、礼、着席」
□「前へならえ」
□「時間を守れ」
(「子どもたちに民主主義を教えよう」工藤勇一、苫野一徳 著 あさま社 より)
どちらも明治の学制以来150年続いた学校教育の在り方に疑問を呈し、『学びの大転換』(X)を求めています。
しかし残念なことに、「ラーニング・コンパス(学びの羅針盤)」が示され、「学習指導要領(改訂)」や「GIGAスクール構想」などが実施された時期とコロナ禍で学校が閉ざされた(学校行事や教員研修の中止や縮小)時期が重なったため、これらの内容が、ほとんどの教員や保護者、地域住民に周知されていません。
ただし、いいこともあります。それは、ここ2、3年、コロナ禍で今まで当たり前だと思っていたことが踏襲できなかったことです。「after コロナ」か「with コロナ」かわかりませんが、全てを元に戻す必要はなく、改めて今の時代に合ったやり方を考える機会にもなっています。
「大変」な時期は「大きく変わる」チャンスでもあります。
これらの世の中の動向と、前回の「誰一人取り残さないウェルビーイングな学校づくり」という最上位目標を共通理解した上で、これからの鴨方東小学校の教育について、保護者、地域の方と熱く語りたいです。 (原「あきらめたら、そこで試合終了ですよ…」)