前回のブログで、幼稚園児が運動会の演技だけでなく、準備や片付けもいきいきと行っている様子について書きました。
最近行事を行うたびに思い出す図があります。(図をクリックして拡大してください)
これは、OECD(経済協力開発機構)のEducation 2030プロジェクトの中に示されている「太陽モデル」というものです。下の表は、それぞれの段階を詳しく示したものです。
よりよい自己や社会の実現のために能動的に行動することを「エージェンシー(Agency)」といいます。聞きなれない言葉ですが、子どもには「生徒エージェンシー」があり、それを、保護者、仲間、教師、地域とのかかわりの中で育む環境を「共同エージェンシー」といいます。
教師や大人が子どもたちにどのような機会を与えるかによって、子どもは自分で決められる参画主体になり、学びの花を開かせ輝くことができます。それを表したのが「太陽モデル」です。
学校教育の中では“7”まで、地域では“8”までが実現可能だと思います。
これからは、授業の中で、学校生活の中で、このような機会を増やしていかなければなりません。
ということで、まずは、今年度の運動会は児童主体の行事にするために、開会式の「校長あいさつ」を省きます。
ご家庭でも、お子様が参画し意思決定できる場をぜひつくってみてください。 (原)
【補足①】
OECDのの資料はこちらです。
「2030年 に向けた 生徒エージェンシー」(OECD Agency for 2030 日本語訳)
「エージェンシー」についてマンガで分かりやすく紹介したサイトはこちらです。
「未来へすすむ ~エージェンシー~」(東京学芸大学 次世代教育研究推進機構)
【補足②】
そして、この「エージェンシー」を身につけるために必要な力が、
2学期始業式に話した、
「人を大切にする力」
「自分の考えをもつ力」
「自分を表現する力」
「チャレンジする力」
です。全てはつながっています。
【補足③】
以前このブログで紹介した工藤勇一先生がフェイスブックで、同じくこのブログで紹介した森万喜子先生の新聞記事にコメントしていましたので、紹介します。
今秋改訂される「生徒指導提要」についての記事ですが、内容はまさしく「生徒エージェンシー」です。
森万喜子校長の記事
「整列も行進も一糸乱れず行う必要はない。自分の歩調で歩こう。」
「自分で考え、表現し、行動する人になるために学ぶの。あなたの人生を自分で選んで幸せになってほしい。ここは人を育て、大人も共に成長する場。」